<2002年5月>
ニュース
 
 


5月31日「JIL労働情報/No.212」より
【統 計】
 ◆4月の完全失業率は前月と同じ5.2%?労働力調査
   総務省が31日発表した労働力調査(速報)によると、4月の完全失業率(季節調整値)は前月と同じ5.2%で、男性は前月から0.1ポイント上昇して5.4%、女性は0.2ポイント低下して4.9%だった。就業者数は、前年同月に比べ94万人の減少で、減少は13カ月連続。
  http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm

 ◆有効求人倍率は0.01ポイント上昇?厚労省
   厚生労働省が31日発表した一般職業紹介状況によると、4月の有効求人倍率(求職者1人あたりの求人数、季節調整値)は0.52倍と前月を0.01ポイント上回った。有効求人倍率は2カ月連続の上昇。有効求人は前月より4.5%増加し、有効求職者は1.8%増加した。
  http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/ippan/2002/04/index.html

 ◆5月の東京都区部の消費者物価、1.1%下落?総務省
   総務省が31日発表した5月の東京都区部の消費者物価指数(速報)は物価変動の大きい生鮮食料品を除いた総合指数で98.0となり、前月より0.1%上昇。前年同月比は1.1%下落で、2年8カ月連続の前年割れ。
  http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-t.htm

 ▽消費者物価指数(全国/4月)?総務省
   http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.htm

 ◆4月のサラリーマン世帯の消費支出0.9%増加?総務省
   総務省が31日発表した4月のサラリーマン世帯の家計調査によると、一世帯あたりの消費支出は34万6,653円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.9%の増加となった。3カ月ぶりの増加。実収入は1月以降3カ月連続で実質増加だったが、4月は実質で1.3%の減少。
  http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/kin/index.htm

【海 外】
 ◆共働き夫婦、世帯収入の3割を妻が担う?オランダ
   オランダ統計局は29日、「家計と個人所得調査」に基き、共働き夫婦の世帯収入の3割を妻が担っているというレポートを発表した。妻の収入が家計に占める割合は年齢とともに変化し、妻が35歳未満の場合は家計の39%だが、35歳から65歳では29%程度に低下している。
  http://www.cbs.nl/en/publications/press-releases/2002/pb02e102.pdf

5月30日「連合通信・解説資料ワイド版」No.7268より
目次
春闘をふり返る/連合はマクロ政策で政府と対決を/デフレは弱者にマイナス/
UFJ総研 森永卓郎・主席研究員
放談/2002年春闘をふり返る/おカネより人権のために闘え!/
人材育成コンサルタント・辛淑玉さん
春闘をふり返る/「非正規」も含めた社会的運動を/フリーターからみた「春闘」/
首都圏青年ユニオン 阿久津光さん

5月29日「JIL労働情報/No.211」より
【行 政】
 ◆過労死認定が過去最高、2001年度143件で68%増加?厚労省
   厚生労働省は22日、2001年度の「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(「過労死」など)の労災補償状況」及び「精神障害等の労災補償状況」を発表した。過労死では、これまで「発症前1週間」だった就労状況の評価期間が6か月に拡大されてはじめての集計となる。「業務上と認定された過労死の件数」は全国で143件で、前年度に比べ58件増。そのうち、47件が今回追加された「長期間の過重業務」基準と認定された。
  http://www.jil.go.jp/mm/cl/20020529/20020529a.html

【統 計】
 ◆4月の求人広告、減少が鈍化?全国求人情報誌協会
   全国求人情報誌協会がまとめた4月の求人広告掲載件数集計によると、協会会員社の122誌の掲載件数は、28万9,645件で前年同月比5.8%減となった。減少幅は前月と比べ11.4ポイント縮小した。
  http://www.zenkyukyo.or.jp/shiryou/press/index.html
  (必見資料:同協会「労働市場サービス産業の活性化のための提言(PDF)」)
      http://www.zenkyukyo.or.jp/shiryou/index.html

【報 告】
◆中小企業の競争力等に関する意識調査?商工中金
   商工中金はこのほど、取引先5,387社に対して実施した「中小企業の競争力等に関する意識調査」の結果をとりまとめた。それによると、現在の競争力に自信を持つ中小企業は4分の3と過半数を占めるものの、デフレや価格競争の点で将来の自社の競争力に不安が高まっているとしている。対策としては、「人件費以外のコストの一層の削減」、「パート等の活用による人件費の削減」をあげる企業が多い。
  http://www.shokochukin.go.jp/pdf/cb02other05.pdf

5月25日「連合通信・隔日版」No.7266より
・「協同労働法」制定に賛同広がる/働く者の仕事おこしを応援/
  働く者による協同組合づくりを促進するため、協同労働法を制定しようという運動が進められている。五月二十日には東京で「早期制定をめざす市民集会」が開かれ、連合の笹森清会長が賛同を表明。政党では自民、共産、社民の各党議員と自由党秘書が来ひんとして出席し、あいさつした。与党は法制定に前向きであり、集会では「今国会での成立」をアピール。遅くとも、秋の臨時国会で法制化を勝ち取る意向だ。
  「働く者が共同で出資し共に労働し経営する」というのが「協同労働の協同組合」の基本理念。食・農、介護や育児サービス、文化などの分野で自発的な仕事おこしの形として広がってきた。しかし、日本には根拠法がなく、法人として活動する場合は趣旨の違う企業組合法人やNPO法人を名乗らざるをえないなど、不十分な環境にある。
 こうした問題を解決し、非営利的な事業法人としての社会的な認知と信用を勝ち取るには、協同労働法の制定が不可欠と判断。日本労働者協同組合連合会などが中心になって市民会議をつくり運動を進めてきた。(以下略)

・ 日本でワークシェアは可能か? 竹信三恵子氏(朝日新聞社会企画報道室)講演
  ワークシェアリング(WS)は労働時間を短縮し、より多くの雇用を確保する取り組
みです。一九九九年ごろ、日経連が「日本でもWSを」と言いだした時には違和感がありました。日本では経営側が言いだし賃金抑制が全面に出ていますが、欧州では生活のゆとりや雇用確保につながる内容で、しかも労働側が言いだしたのです。トラック大手の日野自動車が九九年にWSを行いましたが、やはり違和感がありました。会社は「効果があった。やらなければ解雇が出ていた」といいましたが、実際は希望退職でかなり辞めました。
  ワークシェアリングはワーク(仕事)をみんなでシェア(分け合う)するもののはず。人が辞めてもシェアなのでしょうか。同社は管理職を除く五十五歳以上のホワイトカラーを対象に時短と賃金カットを行いました。労組は「WSと呼んでいない」と言うので理由を聞くと、「希望退職が出ており、仕事の分け合いで解雇を防いだと言えるかどうか自信がない」「全員での分かち合いではなく、一部の人しか適用できなかった」とのことでした。
●日本では問題山積み
  日本ではものすごく拡大解釈されています。人件費を下げ解雇をできるだけ避けるやり方なのですから、従来の「操業短縮」や「賃金カット」と変わりません。
  日野などの例からWSについての新聞記事には「賃下げを伴う」との枕詞(まくらことば)がつき、推進に大きな効果がありました。日野は日本的WSの広告塔になったのです。「賃金カット」は悪いイメージですが、「WS」ならよいイメージだからです。時短なしで賃金だけカットし「WSだ」と言っている企業もあります。NTTは転籍をWSと言っています。自治体でも実施していますが、臨時雇用が多いなど問題点が山積しています。
  日本のWSは総じて不安定雇用や、低賃金で「食えない」雇用を増やしています。「ダウンサイジング」とか、「雇用流動化」と呼んだ方がいいでしょう。
●3万人解雇回避したVW
  欧州では、八一年にフランスのミッテラン政権が週四十時間労働を三十九時間に短縮しましたが、あまり効果はありませんでした。九八年にはジョスパン政権が三十五時間制を法律化し導入企業の社会保険を一部補助しました。確かに失業はすごく減りましたが、「景気が良くなったから」という人もいます。
  ドイツのIGメタル(金属産業労組)はスト闘争で週三十五時間制を獲得。九三年には大手自動車フォルクスワーゲンの労働協約がでてきました。ドイツで初めての賃下げを伴うワークシェアリングでした。
  経営悪化で三万人の解雇を求める会社に対し、労組は二年間で二割の時短と賃下げを提案。同社の手当込みの賃金水準は高く、二割分の手当をカットして他社並みになりました。「つっかえ棒」もいろいろ用意されました。帰休と勤務を半年ずつ繰り返した部門の場合、帰休中は失業手当が出て、職業訓練で別の技能を学んだのです。育休も国から手当が出るので取得が推奨されました。最終的に一人も解雇せずにすみました。解雇を考えていた他社の解雇をやりにくくする効果もあったといいます。
●注目されるオランダ
  日本で今注目されているのがオランダです。「安いパートを使い雇用増と経済復興を果たした」とされています。確かにパート労働者は全体の約四割に達しています。週三十六時間以下の労働者がパートですが、実態は「短時間の正社員」です。同国では六〇年代に賃金が大幅に上昇。競争力が落ちた企業は労働者を多数解雇したため、失業者が増加しました。失業率は一時期一〇%台に達していました。
  八二年に政労使が「ワッセナー合意」を交わし、労組が賃金抑制に協力することを盛り込みました。使用者は時短への協力を、政府は減税などでの支援を約束しました。この結果、デフレは起きず景気がよくなりました。時間賃金や社会保障などで正社員との均等待遇を保障する仕組みを作ったので、女性がパートで働きだしたのです。それまでは男性が家計を支えていましたが、女性の労働参加で世帯収入が増加。これが消費を活性化させ、雇用を拡大する好循環をもたらしました。(以下略)
             

5月24日「JIL労働情報/No.210」より
【行 政】
 ◆雇用調整助成金の支給要件を緩和?厚労省
   厚生労働省は22日、雇用保険法施行規則の改正案要綱を労働政策審議会に諮問し、妥当であるとの回答を得た。雇用調整助成金について、(1)事業所の部門単位で1日1時間以上の休業を行う、(2)従業員個人の1か月間の所定労働時間に占める休業時間の割合が6分の1以上になる、の両要件を満たす場合を支給対象に加え、企業のワークシェアリングを支援する。平成17年3月までの暫定措置で、6月1日から施行する予定。
  http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/05/s0522-3.html
   
【統 計】
 ◆雇用の過剰感は依然として強い?(関経協)雇用短期観測調査
   関西経営者協会などは雇用短期観測調査(4月調査)結果をこのほど発表した。会社の業況は「良い」が4.1%、「ふつう」が21.3%。「悪い」が74.1%、業況判断指数(良い?悪い)は3か月前と比べ6.5%改善し、▲70.0と6四半期ぶりに改善。その一方で、正社員全体を「過剰」とする企業が41.6%、「適当」が43.4%、「不足」が4.9%と、雇用判断指数(不足?過剰)は3か月前と比べ7.3ポイント低下し、▲36.7となっている。職種別では「技術・研究職」に不足感が強い。
  http://www.jil.go.jp/mm/siryo/20020524.html

 ◆パート・アルバイト求人2カ月連続で回復?ワークス
   ワークス研究所が20日発表した首都圏求人動向レポートによると、2?4月の求人広告件数は社員で前年同期比▲20.4%、パート・アルバイトで同▲23.2%だった。社員は1月以降横ばい、パート・アルバイトは2カ月連続の回復となった。
  http://www.works-i.com/article/db/aid681.0

【報 告】
 ◆パートの多様化進む?東京都調査
   東京都がこのほど公表した「パートタイマーに関する実態調査」によると、パートタイマーの多様化が進み、約半数が、基幹的・専門的・管理的労働に進出。基幹労働化が進んでいるものの昇給・賞与などの実施は減少している。
  http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2002/05/60C5M100.HTM

 ◆アジアに職を求める日本人が増加?JETRO調査
   日本貿易振興会は22日、「変容するアジアの日系企業社会」調査の結果を発表した。この調査は、日本人の現地採用や現地人登用の状況について、アジア各国・地域の進出日系企業にヒアリングを実施したもの。アジアに職を求める日本人が増加しており、現地人との競争が厳しく即戦力が求めれていること、従業員の現地採用など経営の現地化が課題となっていること、このような企業の課題に呼応して海外で事業を展開する人材派遣会社が増加していることなどがわかったとしている。
  http://www.jetro.go.jp/ged/j/press/2002/0522.html

5月23日「連合通信・隔日版」No.7265より
・解雇ルール立法を提言/労働弁護団/諸外国の法制水準ふまえる
  日本労働弁護団は五月二十日に開いたシンポジウムで「解雇等労働契約終了に関する
立法提言」を発表した。不況下でのリストラ解雇多発に加え、政府が「解雇ルールづくり」を始めたことからまとめたもので、立法化をめざす。(中略)
  第一条で法律の目的として「雇用の安定に資する」ことを掲げ、第二条では「正当な事由」がなければ解雇できないことを明記した。第三条には整理解雇の四要件を盛り込んだ。
  普通の解雇(労働者の労働能力または行為を理由する解雇)を正当とする要件として、第四条で@解雇に客観的で合理的な理由が存在するA警告、再教育、配転など解雇回避の努力を尽くすB労働者に解雇理由に関して説明し弁明の機会を与えるC労組または労働者の過半数代表との説明・協議を尽くすことを列挙している。
  第五条では、使用者が書面で解雇理由と解雇日を告知しなかった場合、「解雇の効力を主張することができない」と規定した。
  第六条では、労働契約が続いた長さに応じて一?三カ月の予告期間をおくか、それに相当する予告手当を払うよう規定。また、第八条で契約解約通知などから八日間以内なら「撤回することができる」とした。
  使用者によって労働者が退職せざるをえない状況に追い込まれる「みなし解雇」については、第九条で解雇に準じて扱うと定めた。
  第十一条では有期雇用を扱っている。正当な理由がない有期契約を禁じ、一年超の有期契約は期間の定めのないものとみなす、などとしている。

・労働運動の改革を強く訴え/パート労働めぐり激論も
 ヤング・リーダーフォーラム(連合やゼンセン同盟などでつくる山田精吾氏顕彰会主催)が五月二十日、東京・池之端文化センターで行われた。野川忍東京学芸大学教授、中野麻美弁護士(派遣労働ネットワーク理事長)、小針経教全国一般福島地方本部書記長、菅井義夫ゼンセン同盟副会長がパネル討論し、労働運動の現状改革と若手役員の役割発揮を訴えた。
 野川氏は最近の春闘などについて、「ストライキもせず、闘わないで終わらそうと思わないで欲しい」「いま、企業別労働組合はナンセンス」と述べ、職場に健全な労働組合をつくることを訴えた。小針氏も企業内主義の弊害を指摘した。
流通関係の組合員から出された意見をめぐり白熱化したやりとりも。発言は「業務の外注化や派遣活用でコストを下げ、結果として組合員の給料が上がるなら問題ない。パートは労働組合に対する理解が薄く、組織化になじまない。給料を母国に送金する外国人就労者の組織化には疑問がある」というもの。
 これに対し野川氏は「パートのために正社員の労働条件を下げろとは言わないが、せめて労働組合の意義をパート労働者に知らせることが必要」と答えた。中野氏は「派遣などの非正規労働者には忌引休暇もない。親や身内をなくす悲しみは人間として同じなのになぜ差別されるのか。身近なことから正社員の人にも問題意識を感じてほしい」。(中略)と訴えた。

5月22日「JIL労働情報/No.209」より
【行 政】
 ◆増加する労働相談件数、雇用に直接かかわる相談が増加?東京都
   東京都産業労働局はこのほど、「平成13年度における労働相談及びあっせんの状況」をとりまとめて発表した。それによると、労働相談件数は前年度比9.2%増の5万2,445件と、10年度以来の5万件台となった。相談内容は「人員整理」「雇用保険」「配転・出向」「退職強要」など雇用に直接かかわるものが多くなっている。
  http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2002/05/60C5K100.HTM

【労 使】
 ◆「人材派遣健康保険組合」を設立?日本人材派遣協会
   社団法人日本人材派遣協会は5月1日、「人材派遣健康保険組合」を設立した。加入事業所数は131事業所で被保険者数は約11万人となっている。
   同健保は、派遣労働の形態(短期、継続、移動性)に対応している点を特徴とする。
  http://www.jil.go.jp/mm/cl/20020522/20020522a.html

【報 告】
 ◆「成果主義時代の賃金システムのあり方」?日経連
   日経連労使関係特別委員会はこのほど、「成果主義時代の賃金システムのあり方 ―多立型賃金体系に向けて―」と題する報告書を発表した。今後の賃金システムのあり方について、仕事と役割、貢献度に応じた多立型の賃金管理への転換など基本的な考え方を示すとともに、多立型賃金体系を導入している企業の事例を紹介している。
  http://www.nikkeiren.or.jp/h_siryou/2002/20020517.htm
 ◆依然として高い雇用不安感?連合総研調査
   連合総合生活開発研究所は17日、「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査」の結果を発表した。4割弱の人が、「自分自身や身近な人が過去1年間に失業を経験した」と回答。約2割が今後1年間に失業する不安を感じている。ワークシェアリングについては過半数が関心を持っている。
http://www.rengo-soken.or.jp/houkoku/kinroukurashi/enquete/No3/KurashiGaiyo3.htm

 ◆2001年度の倒産は119件に達し、5年度連続で最悪を更新?旅館業
   帝国データバンクはこのほど、「旅館・ホテル業者の倒産実態調査」の結果をとりまとめて発表した。2001年度の旅館・ホテル業者の倒産件数は前年度比21.4%増の119件を記録。集計開始の87年度以来最悪を記録し、5年連続しての記録更新となった。
  http://www.tdb.co.jp/watching/press/p020501.html

【判 例】
 ◆年俸制でも時間外支払え?割増賃金めぐり大阪地裁
   年俸制を理由に時間外労働に対する割増賃金を支給しなかったのは違法として、大阪府内の男性が、以前勤務していた測量会社に未払い賃金の支払いなどを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は18日までに、割増賃金など計約120万円の支払いを命じた。裁判官は「同社は基本給と割増賃金を一体で支給しているというが、同社の給与支払い明細では、どの部分が基本給か明確に定めていない。こうした支給方法は労働基準法に違反しており無効」と判断した。
  http://www.jil.go.jp/mm/hanrei/20020522a.html

5月21日「連合通信・隔日版」 No.7264 より
・正社員との均等待遇を/全労連がパート・臨時の交流集会/
  全労連は五月十八、十九の両日、神奈川県横浜市で第十回「パート・臨時ではたらくなかまの全国交流集会」を開き、約二百三十人が参加した。各地の取り組みを交流するとともに、十一月に全国キャラバンを行うことを盛り込んだ行動提起を確認した。
  あいさつした全労連パート・臨時労組連絡会の布間(ふま)きみよ代表は、財界の雇用流動化戦略によってパート、臨時、派遣、アルバイトなどが急増しているが、待遇が悪く生活が困難だと指摘。厚生労働省のパートタイム労働研究会が最終報告を六月に出す予定であることにふれ、「正社員との均等待遇を求めることが必要」と強調した。
  基調報告した井筒百子・同連絡会事務局長は、重点課題として@パート労働法を改正し均等待遇を盛り込むAILO(国際労働機関)パート条約の批准B整理解雇要件をふまえ、雇い止め・解雇の規制C時間給の大幅引き上げと全国一律最賃制の確立などをあげた。十一月のパート月間に全国キャラバンを実施すると行動提起した。「均等待遇、時間給などで大キャンペーンをはるのが目的」(井筒事務局長)という。このほか、「働くルール署名」の推進、一致する課題での共同拡大などを提起した。当面の組織化では介護ヘルパーを重視し、交流集会を七月に開く予定。

・くらしと統計/主婦の休日4割が「全くない」
  主婦の四割は家事の休日がない──。象印マホービンが首都圏で成人前の子供を持つ主婦三百人(うち有職者が約五割)に聞いた結果です。
  主婦の休日(主婦業から一切解放される日)は「全くない」四二%、「非常に少ない」四八%で、九割が主婦業に追われています。一日のうちで主婦が自由になる時間は平均二時間二十五分。未就学児のいる主婦は平均一時間四十九分です。ちなみに厚生労働省の九八年の調査では、専業主婦の平日の家事時間は六時間を超えています。
  夫が休んでいるのに、自分が家事をしていることに不公平感を持つ主婦は「強くある」「ややある」を合わせて六一%。主婦の休日について四四%が「夫は全く関心がない」と回答。(以下略)

・ひとくち情報/日本男性の家事
  日本の男性が料理や掃除など家事に費やす時間は一週間あたり四時間。スウェーデン男性は二十四時間、米国男性は十六時間、ロシア男性は十二時間。日本男性の家事時間は日米欧七カ国の比較で最短です。労働時間など条件の違いがあるにしても……。
一方、日本の女性がテレビを見る時間は週二十三時間半で、他国女性の約二倍。レジャーにあてる時間も日本女性は最長。(米ミシガン大学調査)

5月18日「連合通信・隔日版」No.7263 より
・消費税率の引き下げを要求 /連合がデフレ脱却方針/「時限的に2%」掲げる
  連合は五月十六日の中央執行委員会で「『税制改革』に対する連合の対応」を協議、デフレ脱却のために消費税率を一時的に二%に下げることを求める方針を確認した。連合が消費税率の引き下げに言及したのは初めて。笹森清会長は記者会見で「デマンドサイド(消費者・国民)への対応が必要」と述べ、生活者優先の立場で消費を拡大することが求められていると指摘。(中略)
  政府が六月をめどに策定を進めている「税制改革」では、所得税の課税最低限の引き下げや、給与所得控除などの縮減が検討され、中・低所得者への税負担増が危ぐされている。これに対し連合は「歳出の抜本見直し」「行・財政改革」なしの負担増は許されないと反対、中・低所得者に広く消費拡大効果が波及する「生活者優先」の税制実現を求めている。
  具体的には、早急に消費税率二%への引き下げ(時限的)をおこない、二年後から毎年一%ずつ引き上げて五%に戻す。二%分は地方消費税および地方財源(地方交付税)に回す。消費税率引き下げをめぐって中執では賛否両論が交わされた。
  賛成意見は「消費喚起の方策としては消費税での対応がよい」、「住宅や自動車購入などでは相当の効果がある。(五%に戻した以降は)『福祉目的税の導入』や『財政不均衡の縮小』という視点にたてば、五%にとどめず、更に引き上げる必要がある」。 
  反対意見は「引き下げは効果に疑問がある」「引き下げるくらいなら政府支出にまわすほうが効果がある」というものだった。

5月17日「JIL労働情報/No.208」より
【行 政】
 ◆厚生年金保険料、2025年には年収の25%に?新人口推計に基づく試算
   厚生労働省は15日、今年1月にまとめた新人口推計に基づく年金財政の試算を公表した。労使で折半している厚生年金の保険料率は、基礎年金部分の現行国庫負担割合(3分の1)を維持した場合、合計特殊出生率を1.39とした中位推計でみると、2025年には年収の24.8%(現在は13.58%)に達する見通し。
  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/05/h0515-2.html

 ◆緊急再就職促進訓練―東京都
   東京都産業労働局は6、7月入校生の募集を開始した。対象はハローワークに求職申し込みをしている求職者で、IT・福祉・医療・環境関連のプログラムを実施する。
  http://www.metro.tokyo.jp/INET/ETC/SOKUJITU/V0C5E100.PDF

【報 告】
 ◆多様な人材を活かすことは先行投資?日経連
   日経連はこのほど「ダイバーシティ・ワークルール研究会」報告書をとりまとめた。同報告書によると、ダイバーシティは性・年齢・発想などの異なる「多様な人材を活かす戦略」で、企業の成長と個人のしあわせをもたらす。経営トップは、ダイバーシティを不確実な時代に対応するための先行投資としてとらえるよう意識改革が必要としている。
  http://www.nikkeiren.or.jp/h_siryou/2002/20020515.htm


5月16日「連合通信・隔日版」No.7262より
・高校生の就職決定率84・3%/日高教と全国私教連が調査/3万8千人未就職
  全教加盟の日本高等学校教職員組合(約五万人)と全国私立学校教職員組合連合(約二万人)は四月二十六日、「二〇〇一年度高校生の就職決定実態調査のまとめ」を発表。今春卒業した高校生の就職決定率は過去最悪の八四・三%になったことを明らかにした。
  就職できなかった卒業生は調査では二千百四十七人に達し、「(全国で)約三万八千人もの高校卒業生が『就職浪人』になった」と推定している。未就職者は厚労省調査で約二万人、文部科学省調査では約三万五千人。調査は三月に実施、二十六道府県の百九十一校から回答を得た。
  就職決定率は全体で前年より四・五ポイント減。男子は八八・六%(前年比四・一ポイント減)、女子は七八・六%(同六・二ポイント減)で、男女差は一〇%(同二・一ポイント増)に広がった。地域別では、北海道・東北と関東・甲越が八〇%前後でとくに深刻だ。就職先が見つからないことなどから就職希望を途中で取り下げた生徒も六・一%いる。これを加えると、就職決定率は七九・四%へと落ち込む。
  企業業績悪化や倒産で内定が取り消される例も多発し、調査対象校の半数近くで見られた。内定後に労働条件を引き下げられるなど労基法違反の疑いがある例も出ている。「企業側が買い手市場を利用して就職ルールを軽視・無視する動きが増えている」という。人材派遣や業務請負の求人が急増している実態もほとんどの県から報告された。(以下略)

5月15日「JIL労働情報/No.207」より
【報 告】
 ◆高卒の就職内定率89.7%で過去最低?厚労省
   今春の高校新卒者の3月末現在の就職内定率は前年同期を3.1ポイント下回る89.7%と依然として過去最低の厳しい就職環境であることが10日、厚生労働省のとりまとめでわかった。男女別にみると、男子は91.9%、女子は87.2%とともに前年同期を下回った。
  http://www.jil.go.jp/mm/siryo/20020515b.html

【行 政】
 ◆「地域産業・雇用対策プログラム」の実施状況?厚労省まとめ
   厚生労働省は1日、雇用のミスマッチ解消と新たな雇用創出のため各地域で経済産業省と連携して行っている「地域産業・雇用対策プログラム」の実施状況をまとめた。全国で約120の経済団体が約9千件の求人情報を提供。また、労働局と経済産業局が連携してインターンシップを推進し、約5千の企業で約1万人を受け入れた。
  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/05/h0501-2.html

【海 外】
 ◆働く母親、3人に2人が週40時間以上の労働時間?アメリカ
   AFL?CIO(アメリカ労働総同盟産別会議)は7日、働く女性に向けられる圧力とその法制度における解決法のために実施した一連の調査の1つである「Ask a WorkingWoman Survey 2002」の結果をとりまとめた。
   それによると、働く母親の3人に1人が夜勤もしくは週末に就労しており、3人に2人が週40時間以上働いていることがわかった。また、働く母親たちの多くは健康管理、賃金の男女平等、退職年金の法整備化を支持している。
  http://www.aflcio.org/women/aaww.pdf

5月14日「連合通信・隔日版」No.7261より
・ モノづくり再生へ国家戦略を/JAMが緊急政策提言作りへ/
アジアとの共生を視野に
  中国などアジアへの企業移転によって、日本のモノづくり・製造業の空洞化が急速に進んでいる。こうしたなかで、連合加盟のJAMがモノづくりの再生にむけた緊急政策提言づくりに着手した。急成長する中国を「脅威」とだけ見ず、どう「共生」するかという視点をうち出したのが特徴だ。

・「連帯のグローバル化」を提起/8月に ITFの世界大会/
  ITF(国際運輸労連)の世界大会が八月十四日から八日間、カナダのバンクーバーで開かれる。大会のタイトルは「連帯のグローバル化」。四年前の前回大会で決めた「連帯の動員」方針をさらに継続・発展させる考えで、交通運輸関係の巨大グローバル企業への対抗戦略や、個人請負労働者の組織化、市民運動との連携強化などを打ちだしているのが特徴だ。

・「初・ぶり」悪指標/労働歳時記
 ○…生活に赤信号を点滅させる労働指標が相次いでいる。「基本給が初のマイナス」「常用雇用は四年連続減少」「所定内労働時間が二年ぶり減少」「消費支出は六年連続減少」。厚労省や総務省がまとめた〇一年度の勤労者状態である。「初」「連続」「ぶり」など、賃金と雇用指数の悪化はすさまじいばかりだ。
 ○…賃金破壊は深刻である。〇一年度の現金給与総額は前年比で一・六%も減少した。うち所定内給与は九〇年の調査開始以来、初のマイナス。〇二春闘の三月まで十一カ月連続の賃金低下である。ベアゼロ春闘や賃金カットが暗い影を落としている。      
 ○…労働時間も休業など不況を反映し、所定内労働時間は前年より〇・五%減(百四十三・三時間)と二年ぶりのマイナスとなった。残業時間も五・六%減と三年ぶりに減少した。時短闘争なき時短とは皮肉である。
 ○…雇用破壊もリストラの激しさを物語っている。正規労働者は前年より一・二%減と四年連続の減少となった。毎年一%前後、約三十五万人の正規従業員が減少し続けている。金融関係の四・三%減、卸・小売の三・三%減などが目立つ。
 ○…他方、パート労働者は増加の一途をたどりつつ、賃金低下も目立ち始めた。パート増加は調査開始の九〇年から続き、昨年度も三・三%増加した。労働者比率で二一・一六%を占める。ところが、現金給与総額は前年比一・二%減とマイナスに転じた。正社員の賃下げ〇・八%より、パートの賃下げが大幅である。
 ○…労働界には、デフレで物価が下がっているから、賃金低下もやむなしとの風潮がないわけではない。しかし、賃金低下は物価下落より大きく、実質賃金は〇・三%とマイナスに転落した。消費も冷え込み、六年連続のマイナスである。デフレ悪循環の打開へ、賃金・雇用・生活破壊に怒る労働運動を求めたい。(鹿)

5月10日「JIL労働情報/No.206」より
【統 計】
 ◆所定外労働時間13ヵ月連続で減少?厚労省
   厚生労働省が4月30日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、3月の所定外労働時間は前年同月比6.2%減と13ヵ月連続の減少となった。同時に発表された13年度分の結果によると、現金給与総額は前年度比1.6%減と2年ぶりに減少した。
  http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/14/1403p/mk1403p.html

 ◆一致指数15ヵ月振りに50%を上回る?3月景気動向指数
   内閣府は9日、3月の景気動向指数(速報)を発表した。景気の現状を示す一致指数は前月より16.3ポイント増加し56.3%と15ヵ月振りに景気判断の分かれ目となる50%を上回った。景気の先行きを示す先行指標は80.0%と3ヵ月連続で50%を上回っている。
  http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di-sammary.html

 ◆消費者物価4年度連続の下落?総務省
   総務省が4月26日公表した13年度の消費者物価指数は、物価変動の大きい生鮮食品を除いた総合で前年度比0.8%減と4年度連続の下落となった。同時に公表された4月中旬の東京都区部の消費者物価指数(速報値)は、物価変動の大きい生鮮食品を除いた総合で前年同月比1.1%減と2年7カ月連続で前年同月割れとなった。
  http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/nendo/index-13z.htm

【報 告】
 ◆あっせん申請の受理が66%の伸び?個別紛争解決促進法の施行状況
   厚生労働省が4月25日に発表した個別労働紛争解決促進法の施行状況によると、平成14年1?3月に13万件を超える相談が全国の総合労働相談コーナーに寄せられた。このうち民事上の個別紛争に関する相談は約2万件で、解雇などリストラ関連が過半数を占めている。あっせんの申請受理件数は511件で、前期(平成13年10?12月)に比べて66%増加した。
  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/04/h0425-2.html

 ◆サラリーマン世帯の消費支出は2カ月連続で減少?総務省
   総務省が4月26日公表した3月のサラリーマン世帯の家計調査によると、一世帯あたりの消費支出は35万9,314円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1.2%減と、2カ月連続の前年割れとなった。同時に公表された13年度のサラリーマン世帯の消費支出は実質で前年度比1.3%減と5年度連続のマイナスとなった。
  http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/kin/index.htm

 ◆配偶者控除の縮小・廃止を提言?男女共同参画会議専門調査会
   政府の男女共同参画会議・影響調査専門調査会は4月24日、ライフスタイルの選択に中立的な税制・社会保障制度・雇用システムの確立を求める中間報告をまとめた。配偶者控除・配偶者特別控除について、国民の負担に与える影響に配慮しつつ、縮小または廃止するよう提言している。
  http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/eikyou/houkoku/index_hei01.html

 ◆減少が続く家内労働者?厚労省
   厚生労働省は8日、平成13年度家内労働概況調査結果をとりまとめて発表した。家内労働者は昭和49年から減少を続けており、前年比3万4,631人減の29万7,200人となった。都道府県別では大阪府が2万6,738人で最も多く、ついで東京都、愛知県の順になっている。
  http://www.jil.go.jp/mm/siryo/20020510a.html

 ◆96.1%の企業が初任給据え置き?労務行政研究所
   労務行政研究所は4月30日、今年4月入社者の決定初任給についての調査のうち、東証第一部上場企業230社についての集計をとりまとめ速報値として発表した。それによると230社の96.1%が初任給を据え置くとしており、大卒・高卒等の全学歴を引き上げたのは7社にとどまっている。引き上げ額の平均は大学卒で42円、高校卒で51円。初任給の平均額は大学卒で20万464円、高校卒で15万7,110円だった。
  http://www.rosei.or.jp/headline/whats/pdf/200202.pdf