当研究所は、誰でも参加していただける催しとして、シンポジウムや講演会を行なっています。 「こんなテーマでやって欲しい」というご希望を是非お寄せください。 なお、今までの報告や講演の一部は、『所報』に載せてあります。


第12回中間総会記念講演
  日時:8月10日(土)午後2時30分 
  場所:静岡労政会館視聴覚室 及び オンライン(ZOOM)
  「今日のアメリカ労働運動から何を学ぶのか?
  〜アメリカ格差社会とストライキを題材に〜」
 
  報告者:伊藤 大一 氏 (大阪経済大学准教授)


アメリカの労働組合組織率は日本より低く10.3%(2021年)です。これまでのビジネス・ユニオニズム(在籍している組合員に対するサービス提供を重視する組合。正社員主義組合)に対し、注目されている潮流が、社会運動的労働運動です。2021年〜2022年には、アマゾン、スタバ、アップル・ストアで労働組合結成が続きました。また2023年にはUAW(全米自動車労働組合)がストライキを行い、4年間で30%を超える賃上げを勝ち取っています。2023年のストは、3社一斉交渉で合意内容を競わせ、進展のない企業に順次ストを拡大させると言う戦術をとりました。3社横並びを崩すことに成功し、ストの拡大をだんだん主力工場に波及させました。各社の決算発表に合わせて世論を喚起し、まず、フォードを屈服させ、ステランティスと合意し、GMを孤立化させ、最後にGMの主力工場へのスト拡大で勝利しました。UAWフェイン会長は
「ただの賃上げでなく、ビリオネア(億万長者)と労働者との闘争だ」と位置づけて、格差社会への異議申し立てを強調しています。
日本社会への示唆として、大阪府職労の保健師増員キャンペーンの成功があります。これはアメリカのコミュニティ・オーガナイジング(CO)の手法を導入したものです。全労連へは、「ユニキャン」として導入されています。



      
春のシンポジウム
  日時:4月21日(日)午後1時30分 
  場所:静岡労政会館(展示室+第3会議室) 及び オンライン(ZOOM)
  「非正規女性労働者の労働組合への組織化」
 
  基調報告:笹原 恵 氏(静岡大学情報学部 情報社会学科 教授)
      
 ●【現場からの報告】@
  「持続可能な働き方アンケートから」増田敦子氏(県評女性部)
 静岡県の197名が答えました
・ ジェンダー平等実現のためにやるべきこと
 @残業なしで生活できる賃金保障
 A急な休暇取得があっても困らない人的な配慮
 B男女とも長時間労働の禁止
・ 持続可能な働き方実現のために必要なこと
 @十分な人的配置
 A長時間労働をなくす
 Bふつうに暮らせる最低賃金1500円以上
・ 寄せられた意見から
 「家事・育児は女性の役割という旧態依然たる男性の意識」
 「産育休・部分休業・時短勤務など制度はあっても、とらせてもらえない。」
 「仕事を継続して我が子のケアをおろそかにするか、離職するか」
   
 ●【現場からの報告】A
 「シングルマザーの働き方」小澤恵氏(ローカルユニオン静岡)
 (株)ままよろ(旧Vario's)は、シングルマザーの働き先を紹介する親切な会社を装って、公式LINE登録(1,800名)をさせ、現在150名が仕事に就いています。労働時間は、業務委託を装い24時間の勤務実態でした。
 会社用のPCが支給されて以降、作業は日に日に夜遅くまで続く事となる。
指示も「早急に」や、明らかに9時-17時の間ではこなせない量の作業量が課せられた。
 私を含め、他のスタッフも指示が出されれば基本的に直ぐ対応し、終わらなければ自宅に持ち 帰り夜中の2時〜4時まで作業をしていた。
 子供が体調不良の時は、母親としてはつきっきりで寄り添ってあげたいのに「家で作業できるよね」と指示が出るので、病気の子供の面倒もままならず、作業の指示も絶え間なく来る。

 ●【基調報告】
 「非正規女性労働者の労働組合への組織化」笹原恵氏(静岡大学教授)
 2023年の世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数で、日本は146カ国中125位でした。特に政治と経済の分野で悪くなっています。
 女性の労働力率は上昇していますが、女性は非正規比率が高く、管理職・役職者に占める女性比率が低くなっています。
 1982年から2022年の40年間で、女性の20代後半の労働力率は、51.0%から87.7%に上昇しています。
 2022年において、年収300万円以下は、女性 73%、男性50%です。
 労働組合の組織率は2004年19,2%から2024年16,3%と低下していますが、パート組織率は2005年3,3%から2023年 8,4%と上昇しています。
 職場において非正規職員の占める比率が高くなる中で、非正規職員の基幹化・戦力化が進み、その待遇は正規職員(組合員)の待遇を押し下げることになります。
 組織化の停滞において、労働組合側の問題として、組合活動を支えるのは正規労働者であるという従来の考え方・思い込みがあります。また非正規労働者は短期(臨時)・短時間の労働者であるという考え方があります。
 職場に非正規労働者が増え、従業員過半数代表の立場と集団的発言メカニズムが危機に直面すると、労働組合は非正規労働者の組織化に取り組むようになります。
 労働の場におけるジェンダー平等を実現するためには、女性労働者の就業継続、賃金格差の解消、非正規女性労働者(パート、臨時、派遣)の待遇改善及び労働組合への参加(包摂)が課題です。ユニオン等では個別解決は図れるものの、職場における労使関係の改善は困難です。


第12回定期総会と記念講演
  日時:2023年7月30日(日)
  場所:静岡労政会館 視聴覚室
  内容:第12回定期総会 午後1時〜2時
      記念講演     午後2時30分〜4時30分
   「労働組合の社会的影響力の強化(活動家育成とSNSの活用)
    〜アメリカ労働運動から学ぶ〜」

     講師:布施 恵輔 氏(全労連事務局次長)

現在、世界の労働者が声を上げています。アメリカではニューヨークの大病院のストライキやスターバックスのストライキがあり、イギリスでは看護師の10万人の過去最大のスト、そしてフランスでは年金改悪に反対するゼネストが何回も行われています。 アメリカの労働組合の組織率は10.1%(2022年)で、多くは保守的で労使協調ですが、一方でたたかう労働組合の運動が前進しています。アメリカでは職場の労働者の過半数の支持を選挙で得なければ労働組合として認められません。しかしその制約を乗り越えて、多くの労働組合が結成されています。代表的なのは2022年のアマゾンとスターバックスの組織化です。アマゾンでは徹底した労働者との対話により人間関係を構築し、会社の組合つぶしに対抗し、家族的な雰囲気を作って組織化に成功しました。 これらの背景には、2018年頃の教員スト、貧富の格差の中でバーニー・サンダースの最賃15ドル闘争の影響、青年層における社会主義に好意的な変化などがあります。 アメリカの労働組合は従来のサービスモデルから、新たな組織化モデルに変化してきています。サービスモデルとは組合役員が組合で、組合員はサービスを受けるものと思われていますが、組織化モデルは、組合員自身が組合であり、自分たちの要求を自分たちで行動し勝ち取っていくスタイルです。日本でも新しい世代の活動家育成に、学習教育のあり方の見直しが行われています。 「民主的なプロセスを通じ、徹底的に互いに敬意を払い、私たちが求める世界を展望してたたかうことで、すでに私たちは勝利しているのです。資本主義が私たちに押し付けるのとは正反対の経験を労働組合で作り出すのです。」(バーバラ・マデロ―二)







春のシンポジウム
  日時:4月29日(土)午後1時30分 
  場所:静岡労政会館視聴覚室 及び オンライン(ZOOM)
 
 基調報告「非常勤講師の雇用と生活を守ろう
  −大学の無期転換逃れは許さない−」
伊藤 圭一 氏(全労連 雇用・労働法制局長)
 大学の研究者については、無期転換申込みができるまでの通算期間を10年とする特例が定められている。2018 年に5年無期転換直前の雇止めが発生したが、2023年も任期10年を前にした無期転換逃れの大量雇止めが起きた。2022 年度末で有期労働契約10年に達する任期付教員、研究者は1万 4,029 人。うち年度末までに無期転換した人は0.8%(117人)にすぎない。専修大学ではドイツ語非常勤講師が無期契約転換を拒否されたが、東京高裁で勝訴し、原告の業務は特例の対象外と認定された。

「非常勤講師の雇い止めに対する闘い」佐々木信吾氏(東海大学教職員組合 委員長)
 東海大学は70年間労働組合が存在しない大学であり、2022 年に入ってから雇い止め通告をされたという相談が全国から届くようになった。東海大学教職員組合を結成し、静岡キャンパスで12 月に、続いて札幌で1月に指名スト・時限ストを実施した。11月に8名、T月に3名が東海大を東京地裁に提訴。今年の2月に雇止め通告を受けた河合紀子支部長について、雇い止めを撤回すると書面で連絡があった!3月末で組合員は9割が雇い止めされたが、この組合員らが全員救済されることを願ってやまない。

「非常勤講師の労働実態」天池洋介氏(岐阜大学等 非常勤講師)
 賃金は1コマ(90 分の授業)を単位として賃金が支払われる。労働時間として90 分の授業時間以外に授業準備や採点などの労務がある。雇用形態は多くが半年契約で、長期休暇中は授業がないため無収入となる。大学の授業の1/3 を非常勤講師が担当しており、もはや基幹的な労働力といってもよい。非常勤講師は研究者としては雇用されていないし、業務として研究を指示されていない。


報告する3氏(右から伊藤、佐々木、天池の各氏)


第11回中間総会記念講演
  日時:8月6日(土)午後2時20分 
  場所:あざれあ 第3会議室 及び オンライン(ZOOM)
  「入管問題の背景と外国人労働者」
  報告:指宿 昭一 氏(弁護士)

2017年6月スリランカ人のウィシュマさんは日本で英語教師になることをめざしていましたが、2020年8月に同居していたスリランカ人の男性からドメスティック・バイオレンスの被害を受け、警察に出頭した所、不法残留で逮捕されました。8月20日に名古屋入管に収容され、翌年3月6日に死亡しました。収容期間中に体重は21、5キログラム減っていました。2月には尿検査で「飢餓状態」を示す数値が出たにもかかわらず、入管は緊急入院も点滴も受けさせませんでした。その理由として「帰国同意しない者には医療を行わない」という入管の体制があります。また仮放免を許可しない理由として、帰国意思を持たせるための拷問として使っている実態があります。
このような入管の体質は戦前に遡ります。日本は朝鮮等を植民地支配し、国内において朝鮮人等の管理・支配を行ったのは特別高等警察(特高)でした。戦後、特別高等警察の廃止により、失業した彼らの受け皿になったのが、現在の入管であると言われています。入管の外国人に対する基本姿勢は「煮て食おうと焼いて食おうと自由」という、外国人を管理・抑圧の対象としか見ない体制によるものです。
また外国人労働者の問題として技能実習制度がありますが、「技術移転による国際貢献」とは名ばかりで、実態は安価な労働力を無権利状態で使うものです。中間搾取が公然と行われている技能実習制度に改善はありえなく廃止すべきです。技能実習制度による管理と排除ではなく、多文化多民族共生の受け入れを可能にする新たな制度の構築が必要です。




春のシンポジウム
  日時:4月23日(土)午後1時30分 
  場所:あざれあ第3会議室 及び オンライン(ZOOM)
  講演:「新型コロナ後の労働組合運動を展望する
 ―労働組合の社会的影響力をどう強化するか―」
  基調報告:黒澤 幸一 氏(全労連事務局長)

 日本の平均賃金はOECDの35カ国中22位まで順位を下げました。非正規労働者や低賃金の正社員が増えたのが要因の1つで、コロナ禍が脆弱な雇用構造に追い打ちを掛けています。日本においては労使対等の原則が形骸化しており、労働者の側がストライキをさけてしまう傾向が強く、このことが日本で賃金が上がらない最も大きな原因です。
 労働者間競争を労働組合が規制し、大企業と中小企業との企業間競争を社会的に規制するために政治闘争が必要です。社会的な賃金闘争とは、賃上げ・底上げを制度的に実現し、世論を大きく構築することです。





第11回総会記念講演
  日時:8月7日(土)午後1時〜1時50分 第11回総会
             午後2時10分〜4時30分 記念講演
  場所:あざれあ 第1研修室 及び オンライン(ZOOM)
  講演:「ジェンダー平等とセクシュアル・ハラスメント」
  講師:角田 由紀子 氏(弁護士)

 日本のジェンダーギャップ指数が世界で120位ということで、男性優位度が世界の中で非常に高い国となっています。この背景として、日本の法律が遅れていて、全てのハラスメントを禁止し違反者に制裁を科すものになっていないことがあります。
 また民主的と言われる弁護士団体や労働組合においても、役員のほとんどが男性であるという実態があります。
 さらに大きな問題として、慣習的家族制度の下において性別役割分業意識が子供の頃から形成され、無意識の差別意識が日常生活を拘束していることです。結婚における結納制度の意味とは、食卓でなぜ母親は台所の近くの席に座るのか、ランドセルの色に男子用と女子用がなぜ分かれているのか、労働組合の女性部はなぜピンク色の用紙に印刷するのか等々、身近な生活の中に無意識の差別があふれています。この当たり前の光景の背後にあるものは、経済力を持つものが意思決定権者としての男性であるということです。日常生活のこの構造が、セクシュアル・ハラスメントの土台となっているのです。
  
  質問に答える角田由紀子氏





「春のシンポジウム」
  日時:3月27日(土)13:30〜16:30
  場所:静岡労政会館 展示室 及び Zoom会議の併用

基調報告として武蔵野美術大学の志田教授が「表現の自由と多文化社会」と題してオンラインで講演されました。表現の自由を近代と現代の2部構成で説明されました。表現の自由とは、集会・結社・言論・出版・その他一切の表現の自由であり、「公権力の関与お断り」という権利です。共存社会を支えるために、暴力を回避し、異文化理解コミュニケーションが大切です。優しく明晰な声と、テンポの良い説明で、とてもわかりやすく理解が深まりました。
パネリストとして最初に美術史家の泰井さんが「文化・芸術における都道府県の役割~ あいちトリエンナーレ「表現の不自由展 ・その後」を事例として~」ということで報告されました。行政からの介入という問題の他に、展示に関わった現地の学芸員の立場から、民主的な手続きの問題が提起されました。
パネリストの2番目に常葉大学の福島さんから「『82 年生まれ、キム・ジヨン』がもたらした自由な表現の力」が報告されました。様々な社会問題、歴史問題について、ジェンダーの視点でとらえ直し、自分の言葉て?語ることの重要性が指摘されました。
三者三様の報告で、質疑も活発に行われ、とても有意義なシンポジウムになりました。

  
           基調報告する志田陽子氏






第10回中間総会記念事業
  日時:2020年8月1日(土)14:30〜
  場所:あざれあ 502会議室 及び Zoom会議の併
  内容:「ドイツと日本における貧困対策
     −新型コロナ対策の日独比較−」

  報告者:布川 日佐史 氏(法政大学 教授)

ドイツの感染者の推移を見てみると、4月にはやはり危機的な状況が起きましたが、5月以降は平常化に向かっています。日本と比べるとだいぶ落ち着いてきて、PCR検査件数が日本の10倍くらいになっています。4月から6月での経済的な落ち込みは戦後最大ですが、労働市場そのものは落ち着いてきています。日本と全く違うのは政府への信頼が高まっています。それと医療福祉関係の人たちの頑張りに対して、社会的にすごい尊敬があるし、実際労働条件が改善してきました。 3月にメルケル首相がものすごい危機だということを訴えました。政府は緊急対策として、小企業への支援の施策が始まります。それに続いて貧困対策とか労働者対策ということで「社会保護パーッケージ法」というものができて、休業手当を拡大しました。それと生活保護の利用促進ということで、収入について、生活が困っているならまずは使ってくれ、資産の調査は半年間しないという運用を始めています。担当大臣がオンラインで、「生活保護はあなたの権利です」という呼びかけをしています。
 休業手当の引き上げで、元々は6割ですが休業が4ヶ月以降になる人には、前の手取り賃金の7割にする、休業が長くなればまた8割に引き上げる、子供がいる場合は7%上乗せするという、休業が長くなった場合の対応を決めてきました。あと失業の給付期間も元々1年ですけれどプラス3ヶ月と延ばしました。
 日本の現状ですが、失業の数から言うと、統計上は失業という形ではまだ顕在化していません。4月に休業が急増し600万人くらいの数になりました。しかし休業が増えた人たちの中でどれだけ休業手当がもらえているのか、わかるデータがありません。
 ドイツでいろんなことをやっていますけれど、必要なことを淡々とやっていると思います。逆に日本では、アベノマスクから始まってGoToキャンペーンに至るような情けない状況になっています。いろんな制度を作ってはきたけれど、実際にそれが使い勝手が悪かったり、しかも申請の窓口はどっかの会社に丸投げしてるという状況です。コロナが広がって不安が増えていく中で、この仕切り直しをしっかりやらなければいけないと思います。





「春のシンポジウム」は
新型コロナウィルスの影響を考慮して中止となりました。

  日時:4月25(土)13:30〜  
  場所:あざれあ 第3会議室
   内容:【基調報告)「当事者による社会運動−差別と貧困の中で−」
              渡辺 照子 氏
      【現場からの報告】「非正規労働者の本音」
              鈴木 芳祐 氏(郵政ユニオン組合員)



「第10回定期総会と記念講演会」
  日時:2019年8月3(土)総会:13:00〜  記念講演:14:30〜
  場所:静岡労政会館 視聴覚室
   内容:「技能実習制度の実態と「改正」入管法」
    
           榑松 佐一 氏(愛知県労働組合総連合 前議長)
 10年ほど前に「ベトナム人が愛知から逃げてきた」と神奈川の教会から電話がありました。「ベトナム人がトヨタにいじめられている」ということで、何とかしようと始まり、それ以来ずっと外国人の支援をしています。日本で就労する外国人は昨年で146万人となり、この5年間で倍増しています。外国人が一番多いのが東京で、2番目が愛知です。静岡の特徴は、派遣労働者が多いということです。技能実習生は、まず母国の送り出し機関と訪日契約をし、日本の管理団体が住居と通訳を保障し、実習実施機関である企業と雇用契約を結びます。このように4者の契約がポイントです。
岐阜アパレルの残業代が1時間500円でした。月に100時間残業をしますので1ヶ月5万円です。職場には逃げないように、あちこちに監視カメラが取り付けてあります。労基署へ申告したところ、すぐに会社が倒産し、6人全員解雇となりました。しかし帰国後、末払い賃金を送金しました。
 実態もわからぬのに新たな外国人労働者制度として改正入管法が成立しました。疑問だらけの制度が、なぜこんな短期間に強行されたのか。それは@使い捨ての若い労働力確保と、A国際人材ビジネスの利益として「新たな投資テーマ」にされていることです。アジアのみなさんと友達になることで、平和の架け橋になることを願っています。



「春のシンポ」
 日時:2019年4月28(日)
 場所:あざれあ 502会議室 13:30〜

 基調報告「『最低賃金連帯』からみる韓国の社会的連携」金 美珍(キム・ミジン)氏
 『最低賃金連帯』の構成は、労働組合、市民運動、民衆運動、女性労働運動、青年運動、その他がある。共通の関心は、賃金所得不平等を緩和し、実質的な生活賃金を確保するように最低賃金を現実化すること。『最低賃金連帯』の特徴は、多様な運動団体の参加、マスメディア向けの活動を通じた社会的関心を高める戦略、労働組合の仲介者としての役割、当事者団体の声、市民団体による社会的支持等がある。

 【韓国調査からの報告】
 @ 「ソウル市の労働政策、静岡にどう生かす」林 克 氏
 ソウル市の労働政策は、市に関連した労働者の改善を率先して行うことで民間に波及させ、相談窓口などで地域の雇用の質を良くするという考え。4月7日投票の静岡市長選に立候補して、「若者が希望をもてる街」をかかげた。東京一極集中への対抗軸を明確にして、市民から一定の反響があった。

A「非正規労働者の運動」 鍋田 敏子 氏
 非正規雇用が「普通」の認識を持つ若者と、正規雇用が「当たり前」の時代を経験している中高年層とのギャップがあり、正規・非正規の労働者の団結はできていない。運動の核となる人材育成が重要ではないか。



第9回中間総会記念事業
 
 日時:2018年8月4日(土)午後2:30〜
   場所:あざれあ
 「働きすぎのメカニズム-労働時間短縮の運動を-
    報告者:萩原繁之氏(弁護士)(森岡孝二氏のレジュメを基に報告)

 1980年代末の過労死と今日の過労死を比較すると、連続面としては、@変わらない長時間労働、死ぬほど働く日本人 A企業中心の時間構造、深刻な社会問題 があります。
変化面としては、@壮年期の過労死の多発から若年層の過労自殺へ、A大多数が正社員の時代から非正規化の時代へ、B「豊かな社会」の過労死から貧困と過労死の併存へ、C新しい働きすぎの出現と拡大 があります。
 厚労省「所定外労働削減要綱」(1991年版)では、<なぜ所定外労働を減らさなくてはならないか>として、@個人の自由時間、A家族のふれあい、B地域社会とのかかわり、C健康と創造性、D働きやすい職場環境 をあげています。
 将来的には、延長の限度基準としては、1日2時間、1週8時間、年間150時間を目指すべきです。

ウィンターセミナー
   
日時:2017年12月17日(日)
    場所:静岡労政会館

 
「コミュニティ・オーガナイジング入門・静岡ワークショップの開催」

     講師:天池洋介

  コミュニティ・オーガナイジング入門・静岡ワークショップが12月17日に開催されました。岐阜青年ユニオン委員長の天池さんに講師をして頂きました。募集人員20名に対し延べ11名と少なかったのですが、実際にトレーニングをしてみると、ちょうど良い人数だったような気がします。参加者は女性4名、男性7名、労働団体としては連合、全労連、全労協の各傘下の組合から参加がありました。またフェイスブックを見て、ママの会からの参加もありました。青年の参加がなかったのが残念でした。
 自分たちの現在の活動を見直して、再構築する経験はとても刺激がありました。また1対1のトレーニングは、思ったほどうまくいかないものだとわかりました。特に相手の長所を引き出すことの重要性は、普段の活動にかけていたのかなと反省しました。BGMを流しながら作業したり、手作りケーキを差し入れでもらったりと、楽しい1日でした。



第9回定期総会記念事業
 
 日時:2017年8月5日(土)午後2:30〜
   場所:静岡県産業経済会館
 「最賃1500円運動の根拠と射程」
    報告者:後藤道夫氏(都留文科大学名誉教授)

 最賃要求のスローガンが1000 円から1500 円に移行を開始しました。
労働者本人が普通に暮らせる最低賃金の要求は、日本では初めてのことです。
これまでの最低賃金は、家計補助労働の賃金として機能しており、
単身者一人分の生計費であることは否定されてきました。
いまや非正規は例外的な働き方ではなくなり、最賃にはりついた低賃金層が増加し、
最賃の大幅引き上げの強い要求となっています。
 子ども、高齢者、失業者などの非勤労者は、社会保障で生活を支えなければなりません。
非勤労者が最低生活を保障されるためには、勤労者の所得が、それよりも多くなければなりません。
そのためには累進課税強化など財政を見なおす必要があります。


 現場からの報告「エキタスの活動」
     報告者:栗原耕平氏(エキタス)

 エキタス結成の目的は、貧困を改善するために最低賃金1500円を実現
することと、反新自由主義・親福祉国家運動を形成することです。
 そのため、311以降の路上の運動、運動や政治に包摂されていないが
困難の近くにいる人たち、反貧困運動団体、労働組合運動の4つの勢力を
結合していく必要があります。



春のシンポジウム
  日時:2017年4月8日(土)午後1:30〜
  場所:あざれあ 502会議室
 基調報告アメリカ労働運動の新潮流とサンダース現象
     −最低賃金15ドル闘争を中心に−」

     伊藤大一 氏(大阪経済大学 准教授)

・2016年アメリカ大統領選挙をどうみるか?=オバマも含めた民主党政権への失望
・新自由主義に対抗するふたつの道
@社会民主主義路線=所得再分配を目的にした経済政策⇒サンダース
Aネオ・ナショナリズム=「没落する恐怖」を背景に、エスタブリッシュメント(体制・権威)への反発を政治動員⇒トランプ
・アメリカ労働運動の新潮流としての社会運動的労働運動=労働組合の目的を、組織維持でなく、「社会正義の実現」そのための組織拡大を目的とした運動。組織化の対象を,従来かえりみられてこなかった、女性、マイノリティ、低賃金労働者などへ拡大。そのために、企業だけでなく、NGO 、地域コミュニティ、宗教コミュニティとの連帯。
・「Fight for $15」=全米最低賃金15ドルを求める運動。各都市を中心に最低賃金15ドル引き上げ運動が 実現しつつある。FF15とオキュパイ運動=労働組合活動家、オキュパイの活動家、コミュニティ・オーガナイジング活動家、宗教コミュニティ活動家との連携
・普遍的に正しい『戦略』『目的』はあっても、普遍的に正しい『戦術』『手段』はない。『正しい戦術』は社会的、政治的、主体的諸条件の中でしか決定されない。



 現場からの報告「静岡県における最低賃金運動」
      青池則男 氏(静岡県評パート・臨時労組連絡会 事務局長)

・「最低賃金の大幅引き上げを国へ求める意見書」採択運動
・「最賃マップ」作成運動
・「お時給どんだけ〜」シール投票
・「最賃今すぐ1,000円以上へ」署名行動
・ディーセントワークデー宣伝行動



第8回中間総会記念講演
  
日時:2016年8月6日(土)14:30〜
  
場所:静岡県産業経済会館
  「「非正規大国」日本の雇用と労働」
     伍賀一道 氏(金沢大学名誉教授)
●「非正規大国」とは
 日本は完全失業率がEU等に比較して低いにもかかわらず相対的貧困率が高いです。それは低所得層のワーキングプアが多数存在しているためです。ワーキングプアと過労死予備軍をセットにした働かせ方こそが、「非正規大国」の実態です。2014年における完全失業率は3.6%ですが、半失業者(不安定就業)を加えた失業率は12%程度となります。
●安倍「労働改革」
 安倍「労働改革」は、人材ビジネスを活用した雇用流動化、正社員を無限定正社員と限定正社員に二分割、解雇の金銭解決制度、ホワイトカラー・エグゼンプション等があります。
●「まともな雇用と働き方」を実現する課題
・総労働時間の上限規制やインターバル時間の確保が必要です。
・最低賃金1500円が実現すると、1日残業2時間、週5日、年間50週就労の場合、年収400万円未満は最低賃金違反となります。
・非正規雇用の正規雇用化と派遣労働者比率の上限設定が必要です。
・派遣労働者は「別会社の労働者」という、派遣法が創り出した虚構を打ち破る闘いが求められます。   



春のシンポジウム「正規・非正規の賃金と社会保障―ジェンダーの視点から」
  日時:2016年4月30日(土)
  場所:静岡労政会館

報告@「最低賃金と最低生計費」中澤秀一氏(静岡県立短期大学 准教授)
  今回の試算結果を時給に換算すると(中央最賃審議会が用いている月173.8時間労働の所定内労働時間)、男性で1,442円/時間、女性で1,437円/時間となりました。現行の静岡県における最低賃金額は783円/時間であり、今回の試算から得られた健康で文化的な暮らしを送るために必要な時給とは、少なくとも600円以上の隔たりがあります。今回の結果をもとに、まずは「生活できる賃金」「安心できる社会保障」という大原則に立ち返ることが必要です。

報告A「現場からの報告」浜松市関連一般労働組合
 浜松市関連一般労組というのは、主に浜松市役所と関連事業所で働いている非常勤職員と臨時職員を中心に活動を進めています。労働条件の改善の考え方としては、正規職員との同一労働同一賃金を目指してということで運動は進めているわけです。県内の市町村の非正規の割合は、平均で40%、多い所ですと職員の8割が非正規といった実態があります。浜松市においても職員の約1/3が非常勤職員とか臨時職員という状況です。
 非常勤職員は5年の雇用期限があります。次の任用まで6カ月以上の空白があるということで、続けて勤務することもできませんし、賃金もまた1年目から戻るということです。その6ヶ月間というのは、少ない給料の中で貯金してきたお金とか失業保険で、何とか生活するという感じです。

【基調報告】「正規・非正規の賃金と社会保障―ジェンダーの視点から」
    藤原千沙氏(法政大学 大原社会問題研究所 教授)
 日本における男女別・雇用形態別の賃金格差・賃金差別を是正するためには、「同一価値労働同一賃金」は魅力的ですが、気を付けるべき点があります。
@経営側の要請ではない、労働側の要請として「同一価値労働同一賃金」の基準をつくることです。4大ファクター(労働環境、負担、責任、知識・技能)のうち、労働環境と負担を軽視しないことです。
A「同一価値労働同一賃金」によって賃金格差の納得性が高まっても、賃金の絶対水準は保障されません。最も低い職務評価であるとランク付けされた仕事であっても、フルタイムで働けば生活できる賃金水準の確立とセットで導入しなければなりません。
B賃金水準を考える際の暮らしの単位は、「親1人子1人モデル」です。すなわち自分1人が普通に働けば、子ども1人を普通に育てていくことのできる賃金の保障です。
C賃金を考える時に労働時間の視点が重要です。家事・育児・介護などを、自らが担うことのできる働き方・労働時間でなければなりません。
D生活できる賃金とは、企業から支払われる直接賃金と税・社会保障を通した間接賃金の合計です。子どもの年齢にしたがって必要生計費は上昇しますが、「同一価値労働同一賃金」では、年齢や勤続を重ねても必ずしも賃金は上昇しません。税・社会保障を通した所得再分配を含めて「生活できる賃金」が保障される仕組みが必要です。


総会記念講演       2015年8月22日(土) 静岡労政会館
  「労働組合運動とはなにか〜絆のある働き方をもとめて」
    熊沢 誠 氏(甲南大学名誉教授)
・増加する非正社員のワーキングプア化と正社員の心身の疲弊との相互補強関係。
・労働組合運動の闘争力の衰退。その背景は日本における産業民主主義の脆弱さ。
・労働条件の企業別決定、働き方の経営専権確立、日本的能力主義の上に協調的労使関係。
・経済グローバリズム・新自由主義の支配。
・既存の企業別組合はどこが批判されるべきか?
@賃上げの企業間平準化の営み放棄。
A非正規労働者の差別的な待遇の傍観。
B「個人の受難」への組合規制の撤退。
・そこから脱却する可能性はどこに=労働者の存在形態に応じた組合組織
@キャリア展開型正社員の企業別組合。
Aノンエリート正社員が企業別組織を産業別組合に。
B小企業での企業横断的単一組合。
C専門職の職業別組合。
D流動型非正規労働者のための地域ユニオン。
・組合民主主義の確立と産業民主主義の復権は、労働者の明日を拓く車の両輪。




春のシンポジウム    2015年4月25日(土)     於:静岡労政会館
   「アベノミクスによる働かせ方と働く者の戦略」
 @アベノミクスによる働かせ方」加茂大樹氏(弁護士)             
 企画業務型裁量労働制の見直しや高度プロフェッショナル労働制(残業代ゼロ法案)の創設の問題点として@長時間労働を助長するおそれ、A対象労働者が広範となる可能性、B歯止めがないがあります。


 A「働く者の対抗戦略」林克氏(静岡県評議長)
 労働法制改悪をめぐっては、雇用共同アクション、職場からの署名、経営者協会・自治体などとの対話、国会議員要請行動、街頭宣伝や共同集会などのとりくみを行います。90年代から始まった労働システムの変容 非正規労働者の増大に対し、これまでの企業別組合では限界があり、非正規の組織化、労働相談とローカルユニオンの対応があります。また社会的賃金引上げの取り組みとして、最低賃金、公契約条例の制定、公務員賃金等があります。


 B基調講演「日韓の労働組合の戦略比較」安周永氏(常葉大学法学部講師)
 1997年から2007年までに日本よりも韓国の方で労働市場の自由化が進むと想定されるにもかかわらず、実際には韓国よりも日本の方で労働市場の自由化が進んだのはなぜでしょうか。日本の連合と韓国の民主労総の戦略を比較すると、連合が審議会や国会での審議と実態調査などのインサイダー戦略にとどまっていたのに対し、民主労総は審議会の脱退、ゼネスト宣言、大規模集会というアウトサイダー戦略をとりました。また提携戦略においては、民主労総が産別労組に転換し、市民団体との提携を積極的に行ったのに対し、連合は産別労組への組織転換が議論されたものの現状維持で、他の社会勢力と連帯するのは組織的に好ましくないと考えられました。今後の労働市場の改革の方向を規定する意味で、労働組合の戦略は重要です。

第7回中間総会記念講演       2014年8月2日(土)  静岡労政会館
  「ブラック企業と労働組合運動―POSSEの活動紹介」
    今野 晴貴 氏(NPO法人POSSE代表)
 ブラック企業は、主に新興産業で広がりを見せている、新しい労務管理の問題です。ブラック企業のタイプとして、選別型はIT企業に多く見られます。必要以上に採用し、選別して、辞めさせる専門部署を用意し、自己都合退職へと追い込んでいきます。また使い捨て型は、小売、飲食などに広く普及し、固定残業代を利用して、低賃金・長時間労働で使いつぶしていきます。
 ブラック企業の場合には、社員を育てようとする意識が欠落し、若者を「使いつぶす」ことによって多大な利益を上げています。「使いつぶし」は労務管理の戦略であり、そのような会社が存在することを前提に行動することが、社会人としてのスキルです。
 ブラック企業に対処するためには、法律の活用、労働時間と勤務内容の記録をとること、早めの専門家への相談があります。
 そして何よりも労働組合を作ることが重要です。その場合、職種別の労働組合等により、賃金・労働時間・労働条件の社会的規制をかける取り組みが重要です。
春のシンポジウム    2014年4月26日(土)     於:あざれあ
   「非正規雇用と労働運動」
報告@伊藤大一 氏(大阪経済大学 准教授) 
「非正規雇用と労働運動−若年労働者の主体と抵抗」
 徳島の請負労働者組合(JMIU光洋シーリングテクノ関連支部)は、2004年に結成されました。当時、偽装請負の下で働き、労働強化が提案された時、非人間的な取り扱いに怒った労働者が、JMIUの本工組合に相談したのがきっかけでした。彼らは2006年に請負労働者から直接雇用の期間工となり、2007年には2度にわたる24時間ストライキを決行して、一部組合員の正社員化を獲得し、2012年に全組合員の正社員化を実現しました。


報告A石川明 氏(JMIU河合連合支部 元委員長)
「河合楽器における非正規労働者の実態と要求・組織化の課題」
 (株)河合楽器製作所は、正社員1700人、パート・再雇用などの非正規労働者は500人です。この他に音楽・体育教室講師7000人が委任契約で働いています。パートは時給850円程度、再雇用者は月額18万円程度です。春闘アンケートでは、パートは一時金、再雇用者は退職金の要望が多くありました。


報告B猪野玄生 氏(生協関連・一般労働組合カーゴスタッフ分会長)
「カーゴスタッフとの裁判闘争の経過」
 カーゴスタッフはユーコープの二次受けであり、そこから業務委託で個人事業主として働いていました。2009年に静岡地裁に、雇用関係の確認等を求めて提訴しました。2013年の判決では、労働基準法上の労働者であると認められ、全面勝利となりました。その後、高裁において、会社との和解を含めた解決を目指しています。

第7回総会&記念事業
 2013年8月10日(土) 静岡労政会館
 記念講演「地域循環型経済への挑戦」
 講師:松丸和夫氏「中央大学教授)
 地域循環型経済とは、基礎自治体なり市・郡・県のレベルで投資や雇用が循環する経済ですが、それは孤立した経済圏を意味するものではなく、地域間や国間の経済取引という形で発展する、開かれた循環の体系です。地域内と地域間の循環型経済を発展させる過程で、誰がその推進力となるのかが重要です。地域に根ざした仕事おこしや、地域産業などの多様な産業主体が、互いに排除しあうのではなく、共生することが求められます。

「秘密保全法」学習会
  
2013年5月25日(土)午後1時30分〜 あざれあ
  講師:阿部浩基 氏(弁護士)
 安倍内閣は国家安全保障会議の新設を目指し、同時に秘密保全法の準備を進めています。秘密とは、国の安全、外交、公共の安全及び秩序の維持とされています。対象は公務員以外も含まれ、10年以下の懲役となっています。現在、自衛隊の情報保全隊の情報収集は、憲法9条のビラ配布、核兵器廃絶の署名活動、春闘での労組の街宣活動に及んでおり、これらが秘密情報とされます。国民の知る権利と情報公開こそが求められています。

春のシンポジウム    2013年4月27日(土)     於:あざれあ
   「中小企業問題と労働運動の課題」
報告@藤井史朗 氏(静岡大学 教授)
「グローバリゼーション下の浜松地域の変容とイノベーションの可能性について」
(浜松の輸送用機器製造業及び情報サービス業の中小企業調査結果より)
 浜松におけるリーマン・ショック等の影響において、輸送用機器製造業では、大きく売上高を落とし、数百人以上の企業は海外展開をしているが、それ以下の企業ではしていない。



報告A児玉和人 氏(静岡英和学院大学 短期大学部 専任講師)
「静岡県内における中小企業の現状と課題」
 中小企業基本法改定(1999年)により個店重視が打出され、B級グルメの振興が進んでいるが、経済活性化の長所の反面、民間団体が商標登録を行い、参入規制を行うという問題がある。



報告B望月賢一郎 氏(静岡県中小企業家同友会 政策委員長)
「静岡県内中小企業の実態と静岡市中小企業振興基本条例の制定」
 県内の中小企業振興条例は、要望を出しているが、実現はまだ難しい。富士市が唯一制定したが、振興会議が設定されないため、現実的には機能していない状況がある。



報告C望月金一 氏(建交労 静岡県本部 書記長)
「中小企業労働組合の現状と課題」
 中小企業では、労使関係のすべての問題を、企業内で解決することは不可能である。物価、住宅、社会保障など、政治的に解決をはからなければならない。


2012年8月11日(土)午後1時20分〜 第6回中間総会と記念事業
                              於:静岡労政会館

      ●第6回(期)中間総会    
      ●記念事業
       @現場からの報告:「派遣社員の雇い止め裁判」
         報告者:堀口真理子氏(建交労)
       A記念講演:「非正規雇用の現状と課題」
              〜有期、パート、派遣のあるべき規制について〜
         講師:中村和雄氏(前京都市長選候補者、弁護士、
                      「非正規をなくす方法」著者)
               
2012年4月14日(土) 春のシンポジュウム「就労支援の現状と課題」
               

         ●報告@「就労支援の現状と課題」
               布川 日佐史 氏(静岡労研 所長・静岡大学教授)
         ●報告A「ハローワークの就労支援」
               小川 洋 氏(全労働省労働組合 調査部)
         ●報告B「生活保護受給者等の就労支援」
               永戸 亮 氏(ワーカーズコープ静岡就労支援事務所 所長)
               *司会:中澤 秀一 氏(静岡労研 主任研究員) 
2011年8月6日(土) 第6回定期総会&記念事業  於:静岡労政会館
    現場からの報告:医療関係者
    遠藤公嗣氏(明治大学教授)「仕事に見合った賃金って?」
             〜職務分析・職務評価・同一価値労働同一賃金〜

              
2011年4月29日(金) 春のシンポジュウム
  「これだけは必要だ!静岡県の最低生計費」 
       基調報告者:中澤主任研究員、
       パネリスト:伊藤圭一氏(全労連幹事)、林克氏(県評議長)、
              佐伯かをり氏(パ・臨連代表)、
       コーディネーター:布川日佐史氏(所長)、於:静岡労政会館

               
2010年8月29日(日)今村幸次郎(自由法曹団元事務局長・弁護士)
                   「労働者派遣法の改正を巡る動向と課題」
2010年3月27日(土)稲葉剛(NPOもやい代表)「ワーキングプアとハウジングプア」
2009年8月30日(日)「韓国労働運動の調査と交流」の報告
2009年3月2日(月) 韓国訪問の予備学習
             イ・ヨンチェ(恵泉女学園大学講師)「韓国労働運動の実情」
2008年8月23日(土) 第4回(期)中間総会記念講演会
                (あざれあ)
            
脇田 滋(龍谷大学)「派遣労働におけるたたかいの方向と課題」
2008年4月5日(土) 布川日佐史(所長)
            「貧困、格差、ワーキング・プアと最低生活保障
               −アメリカ、ドイツと日本」

2007年8月26日(日) 第4回総会記念講演会(静岡県産業経済会館)
              湯浅誠(NPO自立生活サポートセンター・もやい事務局長)
              「セーフティネットを救え-『貧困』は自己責任じゃない-」


2007年2月10日(土) 浜松支所発足集会&記念講演(浜松労政会館)
             田中千恵子(医労連中央執行委員長)
             「医師、看護師不足と医療現場」

2006年12月16日(土) 学習講演会
                  静岡県評、静岡県安健センター、静岡労研 共催)
                (静岡県教育会館)
             平井哲史(自由法曹団前事務局次長・弁護士)
              「労働契約法制・労働時間法制に関わる論点」

2006年8月12日(土) 第3回(期)中間総会記念講演会
                (静岡労政会館)
             川口美貴(関大法科大学院教授・弁護士)
              「労働時間法制改悪の問題点」

2006年4月22日(土) 共同特別フォーラム
               (静岡県評、自由法曹団静岡支部、静岡労研)
             「労働審判制を活かすために」 (静岡市ペガサート)

2005年8月27日(土) 第3回総会記念講演会
(静岡労政会館)
 木下武男(昭和女子大教授)
「賃金の考え方と「新しい賃金運動」」


05年2月20日(日) 青年問題研究発表会
           (静岡県労働研究所と静岡青年ユニオンによる特別フォーラム)(静岡労政会館)
フリーター、派遣労働、NEET、急増の背景!−ポスト日本型雇用、
若者の雇用問題をどう解決するのか−

@後藤道夫(都留文科大学教授)「フリーターの急増の背景−日本型雇用の解体−」
A現場からの報告
  A)名取学(首都圏青年ユニオン委員長、東京公務公共一般労組書記長)
  B)菅原良子(首都圏青年ユニオン書記次長、静岡青年ユニオン書記長)
  C)静岡青年ユニオンの若者労働者
連続講座「グローバル化と社会的公正」
第一回 朴根好(静岡大学助教授)「グローバル化と企業の社会的責任」

      2004年10月21日(木) 沼津労政会館
第二回 安藤研一(静岡大学助教授)「グローバル化と企業戦略」
      2004年11月18日(木) クリエート浜松
第三回 田島慶吾(静岡大学教授)「グローバル化と企業倫理」
      2004年12月18日(木) (静岡県産業経済会館)
第四回 布川日佐史(静岡大学教授)「グローバル化と不安定雇用・貧困」
      2005年1月29日(土) あざれあ(静岡市)
2004年7月31日(土) 設立3周年記念「研究発表とシンポジウム」(静岡県総合社会福祉会館)
【研究発表】
@「日立における分社化の現状」多田義幸所員  
A「天間製紙(株)における破産申立と労働債権確保」神田健夫所員
B「スズキ・小松弘人さん過労自殺の労災認定闘争を振り返って」永桶憲一所員  
C「派遣労働者の権利と問題点---労働相談から---」種本良彦理事(労働相談所所長)

【シンポジウム「グローバル化と社会的公正」】
職場からの報告「多国籍企業における職場の実態」ネッスル労働組合
パネラー@朴根好(静岡大学助教授)「グローバル化と企業の社会的責任」
パネラーA安藤研一(静岡大学助教授)「グローバル化と企業戦略」
パネラーB田島慶吾(静岡大学教授)「グローバル化と企業倫理」
パネラーC布川日佐史(静岡大学教授)「グローバル化と不安定雇用・貧困」

2003年8月2日(土) 第2回総会記念講演会(静岡県産業経済会館)
 宮本みち子(千葉大学教授)「若者が"社会的弱者"に転落する」
  −『若者が"社会的弱者"に転落する』(洋泉社新書)著者−

2003年1月25日(土)研究講演会
 鳥畑与一(静岡大学教授)「日本経済の問題点と展望
              ―金融システム改革を中心に−」

2002年8月10日(土) 設立1周年記念講演
 脇田 滋(龍谷大学)「パート・派遣労働と労働運動の課題」


2002年3月31日(日)静岡地区研究講演会
講演
居城舜子「アメリカ合衆国から学ぶ・・・労働運動フェミニズムの可能性」
職場報告
杉山美代子「不安定雇用労働者の実態と今後の取組みについて」
於:静岡労政会館


2001年12月2日(日)研究発表会(浜松労働負担研究会と共催)
「労働負担とリストラ・産業空洞化」
 発表者
  千田忠男(同志社大学)「労働負担研究とは何か」 (所報3号に掲載)
  中川真(弁護士)   「法律でどうリストラを押さえるか」
  鈴木安名(三島共立病院)「リストラと健康問題」
  柴崎孝夫(浜松大学) 「リストラと産業空洞化」
 職場からの報告
  NTT、フジコ、カワイ楽器、スズキ自動車
 於:浜松労政会館


2001年8月4日(土)静岡県労働研究所設立総会
記念講演
 佐藤博明(静岡大学学長)「21世紀にはたらく人々がめざすもの」(所報2号)
   於:クーポール会館


2001年4月14日(土)設立準備学習講演会
 講師
  土居英二(静岡大学)「統計から見た日本経済の現状」
   於:静岡労政会館


2000年10月7日(土)設立準備シンポジウム
 「大企業の世界戦略―自動車産業のグローバル化と中小企業への影響」(所報1号)
報告
 安藤研一(静岡大学)「自動車産業の世界的再編成と展望」
 太田泰久(スズキ革新懇)「スズキの職場実態」
 中川真(弁護士) 「労働契約をめぐる最近の動向」
  於:静岡ル・ヴェールたちばな